世界はどこに向かっているのか
大きな変化の様相を見せている世界は、新しい制度と秩序を形成する方向に絶え間なく歩み続けている。
人類史をマクロの視点で見れば、まさに進歩発展の歴史として見ることができる。マクロの視点から見て、人類が後退退化している証拠を見つけることはできない。
人類は多くの犠牲を払いながら種として学ぶことでより良い世界の形成に取り組んできた。一個人の時間感覚で世界を見た場合、世界が退化後退しているように見える瞬間があるが、マクロの視点から言えば間違いなく進歩発展に向かっていることが実感できる。
法制度、人権を守る意識レベル、医療、教育、産業、食事、娯楽、科学技術、寿命などは進歩発展の歴史そのものである。
歴史は繰り返されると言われるが、確かに同じような過ちを人類が犯すことはあるだろう。しかし、人類はその過ちから貴重な学びを手にすることになる。
今、人類はこれまでに誰も経験したことのない世界を創ろうとしている。生産力が飛躍的に向上し、ほんの僅かな労働で人類全体に行き届くほどの生産力のレベルにすでに到達している。食糧、生活物資、車、家、衣料など人類全体に行き渡らせても十分に余剰が生じることができるほどの生産力である。
世界中に失業者は溢れ、工場は閉鎖するか減産しなければならないほど物が溢れている。物がないのではなくて、物が売れないで困っている状態である。
人類はすでに生きるための労働から解放されつつある。それほど生産力が革命的に向上したと言える。